キャンディはワンコである

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お疲れちゃん。

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今日が終わると、五月も終わるんだねぇ。

仕事が忙しくなってきて、とーさんは帰ったり工場に泊まったりの毎日だ。

昨夜はキャンディとミルキーも工場に泊まった。

家に独りだと、なんか変な感じ。

すごーーーく楽ちんなんだけどね〜。

ワンコもちゃんと人数に入っているんだなぁと実感する。

そんなワンコたちを、今日は風呂に入れた。

スッキリしたので、あしたからまた頑張ろうと思う。

写真は、風呂上がりで半乾きのキャンディ。
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by kazuko9244 | 2012-05-31 21:24 | 携帯から

いかんいかんψ(`∇´)ψ

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風呂のお湯張りのスイッチ入れたので、お湯張り終了のお知らせまでちょっと読んでみようと思い、読み始めたら…

お、面白いよψ(`∇´)ψ

この人に興味シンシン)^o^(

ウカカカカカカカーー!と、既に数回笑った。


いかんいかん・・・・・・これじゃあ仕事にならんかも・・・


それはいかんぞ・・・^^;
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by kazuko9244 | 2012-05-30 20:05 | 携帯から

来たのである。

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ポチッとしておいた本&CDが来た。
土曜日の午前中の番組、◯◯のブランチで紹介された本。
確か、この作家の方は、私が遥かふた昔とちょい前の高校生の時期に町田町蔵かなんかでミュージシャンをしていた人でしょ?芥川賞作家さん(^。^)面白そうだったから買ってみた。
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そしてCD。
チャングンソクは歌が上手いと思う。
声フェチの私にはヨダレもんなのだ。
DVDがついてる方を買ってみた。

あー、どちらも楽しみ。


なのになのに…

例のお仕事…

読む&聴く時間あるかな〜〜〜〜(~_~;)

………。

ガマンは良くない

ガマンはストレスとなる

それは、様々な平和の邪魔をする

寝る前ならいいかな〜


眠くなるまで読むことに決めた
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by kazuko9244 | 2012-05-30 19:47 | 携帯から

今日から…

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今日から本格的に組み始めましたよ…
年に二回の進物用品承りカードケース。
8000個くらい作るよ(~_~;)

納期が決まっていて、しかも迫っているから気を抜かずにやらなくちゃ。

フィクションが終わってしまったので、またネタのない日々だわ〜

では頑張ります(´・_・`)
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by kazuko9244 | 2012-05-30 16:28 | 携帯から


 まだ人々は止まったまま、時間も止まったまま、タケシを迎えた。タケシも、今日何度もこの状態の中を走り抜けていたので、何となく慣れてしまっていた。老人が一人でタケシを見送りに店の外へ出て来ていた。
「ああ、そうだ・・・。」
 タケシが何か思い出したように振り向き、老人に少し小さめの声で問いかけた。
「ミキが戻らなかったら、変に思う人がいるんじゃないかな、両親とか、友達とか、いろいろ・・・。」
 老人は、軽く目配せをしながら答えた。
「彼女に関する記憶は、全て消します。これからは誰も彼女の事は知らないし、物も残りません。」
「何でも思うように出来るんだな。」
「それ程ではありませんよ。」
 タケシは老人に微笑むと、老人もそれに答えた。最初にミキと二人で指輪を選んで、この店を出た時に向けられた計算された笑顔とはまるで違う、心を許した笑顔のように見えた。
「ロウと、ミキを頼むよ。」
「ロウ?ミキさんだけでなく?」
「ん・・・なんかあいつ、助けてやりたかったんだ、損得なしで、心から。」
 そう言いながら、照れ笑いを浮かべたタケシに、老人は心配そうな顔で言った。
「そのピアス、もう外せますよ。辛いようでしたら、記憶と共に預かりますが・・・?」
 ああ、このピアスに、時間外を過ごした俺の記憶が詰まっているのか。そうか、と言ってタケシはピアスに手をやった。外そうとしてキャッチャーを取りかけたが、思い留まった。
「いや、貰っとく。」
「記憶が、辛くはないですか?」
 その言葉に、目頭が熱くなり、鼻の奥がツン、とした。涙腺が緩んだが、それらをかき消すように、大きく息を吸い込んだ。
「自然に失くす迄、持ってます。」
 タケシのその眼差しは、潔く光っていた。
「あなたは、強い人だ。」
 老人が感心するように言うと、
「俺みたいな奴、ごまんといますよ。」
 そう言って、タケシはほっとしたように笑い、頭を一つ下げて振り向き、バイクにキーを差し、押しながら歩き出した。
 今日一日の出来事がタケシの頭の中にフィードバックしていた。ミキの誕生日、あの宝石店、指輪、ピアス、止まった時間、藤村の言葉、調整室、ミキを連れ出し、逃げるように戻った部屋、ミキとロウの赤い瞳、赤い空、このバイクにミキを乗せ、パニック状態の町の中、宝石店へ再び向かった。白い空間、ルビーの塔、自らの手で諦め、飛び出して行ったロウ、水の音、凍えるロウ、彼を背負い、急いだ道・・・ミキとの別れ・・・。
 時が止まっていた分、あまりに早く過ぎて行った出来事。
 もうミキは自分の側には居ない。
 この思いは、どれくらいの間自分の心の中に居続けるのだろう。どれくらいの時が経てば、薄れて行くのだろう。薄れていって欲しかった。けれど、忘れたくはない。
(どんな扉でも開けられる)
(どんな場所へも行ける)
 目を閉じて、その言葉を胸に刻んだ。



 急に街のざわめきがタケシの身体を刺激した。全身を電流が走ったように感じた。時が流れ始めたのだ。そう思い、タケシは宝石店の存在の有無を確かめようとして振り向いた。さっきまでそこにあった店は既に無く、建設用地としての幕が張られていた。
 タケシが周囲を見回すと、さっきまで真っ赤だった空が、急に元に戻ったことを不思議に思って空を見上げている人々が目に入った。それぞれが口々に安堵の声を上げている。
 自分たちの知らない時間に、何が起きているのか知らない人々。
 果たしてこの地球の中で、どれくらいの人が地球の病に気が付いているのだろうか、タケシは目を伏せながら、車道へとバイクを押した。



「あ、お帰り。」
 タケシが部屋に戻ると、藤村が元気な声で迎えた。そうだ、藤村だ、こいつが居たんだ。あの時、テレビの画面にロウが映ったのを見て、気を失ったのをそのままほったらかしにしていたのをタケシはたった今思い出した。玄関に立ったまま、じっと藤村を見つめた。
「俺、さっき起きたんだけどよ、すげー夢見ちゃってよ、面白かったから、すぐ原稿書くから、後で見てくれよなっ!」そう言ってパソコンのキーを叩く。
 すげー夢・・・?どんなのだ?まさか、さっきまでの・・・?藤村が何の事を言っているのか気になったタケシは、ゆっくりと藤村に近付き、恐る恐る言ってみた。
「時間が、止まるとか?」
「はぁ?何だ?時間が?」
 はっきり聞こえなかったと言う藤村に、
「いや、いい。」違うらしいとタケシは安心した。
 そしてその時ふと思い出し、藤村の首元を見て、聞いた。
「お前、首に何か着けてなかったっけ?」
 パソコンから目を離さずに、藤村はまた聞き返してきた。
「首に?俺はそんなガラじゃない。」キーを叩く両手には、勢いがついていた。
「そうだよ、そうだよな。」
 少し声がうわずるようになってしまったのに気付いたのか、藤村が手を止めて、タケシを見た。
「なんだ?タケシ、気持ちわりーぞ。」
 タケシは首を横に振りながら大きく咳払いをして、
「暑いのに、エアコンくらい点けてろよ。」リモコンを取り上げた。
「いや、一応、人の家だから、電気代とか気になってさ。」
「だったら、それも使うな。」藤村からパソコンを取り上げようとすると、
「ああぁぁぁ、やめてくれぇ、まだ読まないでくれぇ!」大袈裟に慌てる藤村に、
「読まねぇよ、どうせまたホラーだろ。」興味ねえよ、と言ってみせると、
「バレた?」
 タケシはほっとしていた。藤村のおどけた顔を見て笑った振りをしながら、心の中では老人に拍手を贈っていた。
(爺さん、やるじゃねえか。)
 左耳のピアスが光った。

 日が暮れた群青の空に、一番星が煌めいていた。



     終わり
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by kazuko9244 | 2012-05-26 12:20 | フィクション


 二人が居た場所から川原はすぐ近くだった。しかし、川原へ下りても、その川原のどこら辺にロウが居るのかは分からない。タケシとミキは、二手に分かれて探す事にした。走り分かれる時、タケシが振り向いて、
「ミキ、お前、大丈夫か?」
「大丈夫!」
 声だけは元気だったが、かなり疲れているように見える。それに、寒そうに身体を揺らしている様子から、彼女も気力だけで頑張っているのだということが見て取れた。心配そうにミキを見ながらも、ロウを探すべくまた走り出した。
 それからは、あまり長くはかからなかった。タケシが見まわしながら、ロウに呼びかけながら、ほんの数十メートルくらい進んだところで、
「タケシーー!!」ミキの声が遠くで小さく聞こえたような気がした。立ち止まり、耳を澄ますと、
「タケシーー!」もう一度聴こえた。確かに、ミキが呼んでいる。タケシは戻った。今まで来たところを全速力で走り戻り、ミキの姿を目で捕え、その、ほんのすぐ側に倒れている人物をロウだと認めた。
 ロウは両腕で自分を抱き締め、横向きに身体を丸めるようにして倒れていた。顔色は血の気が失せて白く、唇は紫色になっている。今にもそのまま凍りついてしまうのではないかと思うくらい、儚げに見えた。
「震えは通り越したんだろうか・・・ミキ、お前、抱いてやれ、体温が、お前の方が高い。」
 タケシはミキを促した。ロウを見て泣きそうになっていたミキは、タケシの言葉に、すぐロウを抱いた。ミキがロウの胸に耳を当てて、タケシに言った。
「まだ生きてる!」
 その言葉に条件反射するように、タケシはミキの手からロウを抱え上げ、ミキに手伝わせてロウを自分の背中に背負うと、川原から駆け上がり、あの扉へ向かって進み出した。
 ちらりと見えた川の流れは、確かに止まっていた。



 重い身体を引きずるような気持ちで歩みを進めていた。寒さに震え始めた様子のミキを気遣いながら、ロウを背負い、扉を目指した。
「ミキ。」タケシは体力が消耗することを覚悟で、言葉を発した。
 ミキに言わなければならない事がある。
 ロウの背中をさすりながら並んで歩いていたミキが、タケシに答えた。
「ん?」ミキもタケシに伝えたい気持ちがあった。
「おれはロウを助けたい。」目を閉じて、思い切るように言った。
「うん。」
「ロウが柴田と重なるんだ。どうしても死なせたくない。」
「うん。」
「心が、子供のままなんだ。きちんと大人になりきれてない。愛情を、与えてやってくれないか。ロウにそれをしてやれるのは、お前しかいないんじゃないかと思う。」
 そう言ったタケシに、ミキはロウの背中をさすりながら静かに言った。
「私、今朝からおかしかった。頭がクラクラしたり、気分が悪かったりして、普通じゃなかった。今日の、今までのこと考えたら、私は帰るべき時が来ているんじゃないかと思ったりしてたの。まだ迷ってるけど・・・。」
 最後は涙声になり、震えながら、
「私も、この人を助けたい。」そう言ってすすり泣いた。
「お前、かぐや姫だったのかもな。」
 タケシは優しく言うと、息を深く吸い込み、気力を持ち直した。
 諦めない、諦めないぞ、死なせてたまるか、誰も、こんなかたちで死んじゃいけないんだ・・・死んだら、おしまいだ。
 タケシの強い思いが、重い足を一歩づつ前へ押し出していた。強い意志が、血走った目を開かせ、前方を見据えさせていた。体力は限界を超えていたが、タケシは倒れなかった。
(最後まで、やり遂げてやる。)
 そう言い聞かせ、自分を信じた。



 最後の角を曲がると、老人が三人を見つけ、走り寄って来た。心配そうにロウに触れ、タケシを気遣った。
「手伝おう・・・。」
 老人が言い掛けると、それを遮るように、タケシが絞り出すような声で言った。
「あと少しだ、爺さん、俺に、最後まで俺にやらせてくれ。」
 そう言いながら進み、言い終えた時、店の前に着いた。四人は中へと入り、老人が用意していた調整室へロウを運び込んだ。温風が身体中にまとわりつき、タケシは耐え難い不快さに襲われた。
 ベッドは三台用意されていた。ロウをその中央に降ろすと、ミキがその隣のベッドに倒れ込んだ。表情は和らぎ、気持ち良さそうに溜息をついている。タケシはそれを見て安心し、ロウの幼さの残る寝顔を見ながら傍らへ立つ老人へ聞いた。
「ロウは大丈夫なのか?」
「此処まで来れば、もう大丈夫です。しばらくの間、こうしていれば、だんだんと回復するでしょう。」
 タケシは小さく頷きながら、調整室を出た。そして店のソファめがけて、後ろに倒れるように腰を下ろした。すぐに老人も出てきて、タケシの前に立ち、遠慮がちに言った。
「有難う、本当に、有難う。全て、あなたのお陰です。」
 タケシが見上げると、老人は深々と頭を下げていた。
「やめてくれ、爺さん。」それだけしか、言えなかった。頭に両手をあてて、深く息を吐き出し、目を閉じた。
「あなたにも、私達の星へ来て頂けたら、と思うのですが・・・。」
 老人の声は、聴き取りにくい程小さかった。きっとこの老人は、俺を今回のことに巻き込んだ事について後ろめたい気持ちがあるのだろう。ひどく遠慮がちに喋る老人を、少し気の毒に思い、タケシは目を閉じたまま、小さく笑った。そうか、あの三つのベッド、一つは俺の為か。調整室で体温を調整されて、異星で暮らすのか。ロウと、ミキと一緒に・・・そういう道もあるのか・・・しかし、それは出来ない。
 その時もう既にタケシの気持ちの中では、ミキと別れる決心はついていた。ミキはもう、地球の人間ではない。地球では暮らせない身体になってしまっている。今の様子から見ても、ミキを地球での元の生活に連れ帰ったら、長くは生きられないだろう。そしてミキは、なによりもロウにとって必要な存在だ。確かに、老人の言う通り、ロウの欠けた部分を補えるのはミキしかいない。彼の幼い精神を包み込んでやれるのは、ミキしかいない。タケシは、今日此処へ三度目に来た時・・・あの真っ白い空間にミキがロウと共に消えて行った時から、それを予感していた。そして、この店の外で、夕方であるとはいえ、真夏の暑さの中で凍えそうになっていた二人を見ながら、生きる世界の違いをはっきりと感じ取っていたのだ。じっと目を閉じたまま、何も答えないタケシに、いつの間にかそこに立っていたミキが話しかけた。
「タケシ、一緒に来て。」
 ミキの姿を見上げ、その言葉の意味を悟った時、タケシの目から涙がこぼれた。ミキは、『一緒に来てくれるなら行く。』とは言わなかった。『私は行く。タケシも、一緒に来て。』そう言ったのだ。そうか、お前はやっぱり行ってしまうんだな、あの暑い星へ帰ろうと決めたんだな、自分の居場所があの星へあると分かったんだな・・・。涙を拭いながら、タケシは立ち上がった。ミキの赤い瞳を真っ直ぐに見ながら、
「俺は行かない。」堂々とそう言った。
 タケシの胸に、ミキは顔を埋めて何も言わずにしばらくそうしていた。ミキもタケシとの別れを感じていたのだろう、それ以上無理強いはしなかった。涙でぐしょぐしょに濡れた顔をタケシの胸から離すと、下を向いて二、三歩後ろへ下がった。そのまま泣いているミキに、タケシはいつものように微笑んで言った。
「じゃ、帰るわ。」
 そして、ミキと老人を残して店の外へと出て行った。


   つづく (次回、最終話です。)
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by kazuko9244 | 2012-05-25 19:11 | フィクション

なんとか復帰

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もうちょっとフワ〜ンとするけど、なんとか仕事してます。

これを1500個作るんだけど、接着剤が臭いのよ(~_~;)

また気分が悪くなったらいけないから、ほどほどにしよう…

…でも私はほどほどにというのが上手に出来ない。

一生懸命やりすぎてしまう(ーー;)

なんでも、やり過ぎは良くないね。
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by kazuko9244 | 2012-05-25 12:39 | 携帯から

調子悪い…

今朝から、頭痛と吐き気で休んでます(ーー;)

さっき起きたら、だいぶ良くなってるんだけど…

気分があまり良くないので、フィクションは休みます。


あれ?

前回休んだのも、木曜日だったような…

仕事も、休んでられないのに…

あーーー、自己嫌悪。


明日は元気にならなければ(−_−;)
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by kazuko9244 | 2012-05-24 17:49 | 携帯から

 タケシは、思ったよりも足の速いロウを、店を出た時に一瞬空を見上げたことにより見失ってしまっていた。右を見ても、左を見ても、ロウの姿を見つけられなかった。ロウが店を走り出て行った時、左に曲がったような気がした事を頼りに、タケシも左へと走っていた。しかし、ロウの走り行く姿はどこまで走り続けても見つけることが出来なかった。
「くそっ、何処へ・・・」
 息を切らしながら立ち止まり、周囲を見まわすタケシは、柴田の最後の顔と重なって見えたロウを何としてでも見つけて、一刻も早くあの世界へ帰してやりたいというその思いだけが頭にあった。
「ロウ!」
 呼んでみた。答えなどある訳はないが、そうせずには居られなかったのだ。すると、その声を聞いてかどうかは分からないが、ミキが遠くからタケシを呼んだ。
「タケシ!」走り寄って来るミキは、顔色があまり良くなかった。
「お前、寒いんじゃないのか?帰れ!」
「嫌!まだ大丈夫!」
 タケシはミキを睨みつけたが、ミキはびくともしない。
「見失ったんだ、畜生、あいつ走るの速いぜ・・・何処行ったんだよ、凍え死ぬぜ、速く見つけないと・・・。」
 歪んだ表情を浮かべて飛び降りた柴田が何度も頭をよぎる。タケシはまたあてもなく走り出していた。気持ばかりが焦り、足の向くべき方向が分からない。何処へ行けば良いんだ、誰か教えてくれ、そう心で叫んだ。その途端にタケシは立ち止まった。
「・・・音がする・・・。」
 音も、何もかも全てが静止している筈の今、何処からかタケシの耳に音が届いた。目をきょろきょろとさせて、その音が何の音であるのか、聴き取ろうとする。
「水・・・?」
 タケシにはその音が水が流れる音のように聴こえた。ミキも首を傾げ、水?と復唱した。
「お前、聴こえないか?水が流れる音・・・。」
「ううん、聴こえない。」ミキが首を横に振る。
「俺だけか?俺には聴こえるんだよ、水の・・・」
 タケシは左手で左耳を良く聴こえるように立ててみた。すると音が大きくなったような気がした。
「え?嘘だろ・・・」
「何?」
 信じられない、といった表情のタケシを見て、ミキが問いかける。タケシはずっと左手を左耳に当てたまま、首をひねっている。左手が、耳の後ろから耳たぶへと移り、ピアスを触り始めた。触ったり、放したりしている。ルビーを触ったり、放したり・・・ルビーの部分を、塞いだり、放したり・・・タケシの目がミキの方を見た。その目には確信があった。
「ルビーから、音がする。」
「ルビー?」ミキが急いでタケシの耳に自分の耳を近付けてみた。
「ホントだ。微かに・・・水の音がする!」
「お前のは?」
 ああ、そうか、私のルビーは・・・ミキは自分の指輪のルビーにも耳を当ててみた。嘘みたいだ、宝石から音が聴こえるなんて・・・。
「き、聴こえるよ、ほら!」
 タケシの右耳に指輪を当てた。タケシが頷いた。
「何の意味が?」
「何か、知らせたいんじゃないかな、この石が、私達に・・・。」
「水の音・・・これは・・・一定の流れ・・・海じゃないな・・・。」
「じゃ、川?川がどうかしたのかな?」
 今、この状況・・・ルビーが自分達に知らせたい事・・・。
「・・・ロウの居場所?」
「そうなのかも!」
「行ってみる価値あるな。」
「ええっと、川は・・・どっちだっけ?」
 タケシは辺りを見て、現在地を素早く把握して、
「近いぞ、こっちだ!」
 また走り出した。


   つづく
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by kazuko9244 | 2012-05-23 20:14 | フィクション

タケシは扉を力いっぱい押し開け、白い空間へ飛び込んでいた。さっきのように足が動かなくなることはなかった。眩しくて目が開けられなかった白い空間も、その向こうにある赤くそびえ立つ大きなルビーの塔も、この目で捕える事が出来ていた。
(どんな場所へも行ける)
 その言葉を胸に、タケシは叫んだ。
「ミキ!」
 ミキの耳にその声は届いた。ハッと気付き、広げていた両手の掌をぐっと握り締めた。
「嫌よ、こんな方法、私には出来ない。」
 ロウの目を真っ直ぐに見ながら、ミキは訴えた。
「私のこの手で人を消滅させる事なんて、出来ない!嫌よ!こんなこと、やめて!」
 ミキの瞳の奥が赤く燃え上がっていた。そして涙が溢れ出した。
「私には出来ない!お父さんやお母さん、友達、皆を殺すことなんて出来ない!」
 ミキがロウに掴みかかった。泣きながらロウに哀願した、こんなことやめて、と。ロウは何も言わず、目を大きく見開き、ミキを見ていた。悲しがるミキを見ていた。泣き叫ぶミキを見ていた。苦しむミキを見ていた。足元に崩れるミキを見ていた。その目は、だんだんと鋭さを失い、強さも薄れていった。
 ロウの心の中で、どんな気持ちの移り変わりがあったのだろう。山に降り積もり、氷になった雪が春の日差しに溶け、透き通った清流となり、大河へと広がって行くように、ミキに向けられた表情には柔らかさがあった。
 タケシは少し離れた場所から二人を見ていた。そしてロウのその表情を見て呼びかけた。
「ロウ!あんただって、本当はこんなことしたくなんかないんだろ?ずっと使命を背中に背負って、辛かったんじゃないのか?」
 ロウがゆっくりとタケシの方を向いた。表情は一瞬で変化し、その顔は、今にも泣きそうで、頼りなく歪んでいた。タケシは、ロウが何か自分に言いかけているように見えた。しかし、よく見るとその目はタケシを見てはいなかった。タケシよりももっと遠くを、ぼんやりと見ていた。しばらくの間、そうしていたかと思うと、突然ロウはルビーの塔に向き直り、ぐっと握り締めた右手を、左下から右上へと斜めに一気に振り上げた。
 ロウの指輪に付いたルビーが、ルビーの塔を引っ掻き、耳を突き抜けるような大きな音が響いた。そのままロウはそのルビーの塔を見上げると、がっくりと肩を落とした。
 ミキはへたり込んだまま、ロウとルビーの塔を交互に見ていた。ロウの表情が歪み、その目から大粒の涙が頬を伝って落ちた。ロウが泣いている、そこには、今まで見て来た、あの冷たい表情を向けるロウの代わりに、まるで手から離れて飛んでいった風船を見上げる子供のような悲しそうな表情を浮かべるロウが居た。
 タケシの脳裏に、柴田の最後の表情が浮かんで消えた。ロウと柴田が重なって見えて、全身鳥肌が立った。
 塔の変化は三人の目の前で起こった。ルビー特有の、ピジョン・ブラッド『鳩の血色』と称される美しい赤色が、その赤みをだんだんと失っていったのだ。それはロウが傷を付けた部分から始まり、次第に上へと広がっていった。熱い思いを凝縮させたような赤色が、透明に近付いていく。その様子を三人はずっと見ていた。上へ上へと向かって赤色を失っていく石の塔。
 何年もかけて造り上げた、ロウの魂のこもった最後の赤色が頂点に達した一瞬、尖った先端は白く激しい光を放った。そして、その光は静かに消えていった。三人は、呆然と透明な石の塔を見上げていた。
 タケシには、あの赤い石は力尽きてしまったように見えた。最後の光りは、ロウソクが燃え尽きる時に一瞬炎が大きく燃え上がる様子を想像させた。と、いうことは、ロウの方法は失敗し、人類は救われたということなのだろうか、もしもそうならば、ロウは今、どんな気持ちで力尽きた石の塔を見上げているのだろう、自らの手で自ら造り上げたものを壊した時の、その思いは・・・。
 ロウの両手は固く握り締められ、小刻みに震えていた。タケシがロウの方へ一歩踏み出した時、突然ロウが振り向き、こっちへ向かって全速力で走り出して来た。唇を噛み、目を固く瞑って首を横に振りながらタケシの横を駆け抜けて行った。扉を開け、店内を抜け、外へと飛び出して行く。タケシはロウの後を追った。ミキもタケシに続いた。扉の向こうの店の中では、老人がおろおろと立ち上がり、タケシに向かって叫んでいた。
「ロウを助けてやってくれ!あいつは死ぬ気だ!」
 その声にミキは驚いて立ち止まったが、タケシは店から飛び出して行った。老人がすがるような目をしてミキに言った。
「助けてやってくれ、頼む。」
 ミキは小さく頷いて、店から走り出て行った。



 店の外は全てが静止したままだった。ミキとタケシがロウに呼ばれて此処へ来た時、ロウが赤い空を元の夕暮れ前の、青さを残した空へと戻し、恐れおののく人々を静めて静止させた、あの状態のままだった。
 このまま、皆死んでいたかもしれなかったなんて・・・。ミキは胸が詰まった。身体は寒さを感じたが、飛び出して行った二人の姿を探して走り出した。



   つづく
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by kazuko9244 | 2012-05-22 22:19 | フィクション

キャンディ(ウェスティ)・ミルキー(ヨーキー)・とーさん・私の毎日の一部分♪


by kazuko9244